バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

徐々に収束に向かうかと楽観視していたコロナの感染者数が、また増えてきました。

昨日13日は、東京都の感染者数が3000人を超えたとのこと。

数だけ見ると異常な拡がり方ですが、一喜一憂せず自分がコントロールできるものに注力していこうと思っています。

さて本日は、何をやるかより誰とやるかについて。

他社との協業での経験

仕事なので何をやるかは重要です。

会社なので仲が良いだけでは長くは続きません。

友達だからと言って不要な商品を購入するわけにもいきません。

それでも誰とやるかが重要だと私は思っています。

まずは、他社との協業について。

中小企業はそれぞれの得意分野を持ち寄って協業するケースも少なくありません。

特に優良企業を引き継いだ後継社長のところには、たくさんのアプローチがきます。

これは私自身の経験からも言えることです。

2014年に業歴30年ほどの会社を引き継ぎました。

狭い業界の中では、それなりに存在感のある会社でした。

規模感、知名度両面でずっと大きな会社から声をかけてもらうこともありました。

儲かりそうなネタを提示され、飛びつくこともありました。

結果は…、でした。

振り返ってみると、協業する相手の利益より、儲かりそうという“下心”が先に立っていたように思います。

もちろん商売なので収益性を無視することはできません。

しかし、それより大事なのは、この人と一緒に仕事ができて楽しい、自分より先にこの人を儲けさせたいという気持ちが湧くか否かです。

何をするかより誰とやるかを優先することで、協業が長続きし、成果も伴ってきた経験もしました。

幹部をどのように選定するか?

次に、後継社長を支える幹部について。

これまでも後継社長にとっての幹部の重要性については、こちらで再三再四お伝えしてきました。

仕事なので“いい奴”だけでは務まりません。

一方で、実務スキルが高いだけでも幹部には指名できません。

幹部に求める要件は、経営者が10人いれば10通り。

後継社長が求めるものは、引き継いだ会社であっても先代社長とは違って当然。

私が出会う後継社長の皆さんには、自分なりの幹部像を言葉にして社員に伝えることを勧めています。

私も幹部に求めるものとして3つの要件を提示しています。

端的に言うと、コミット、シンクロ、シンパシー。

それぞれに説明文をつけていますが、今回は割愛します。

ここで強調したいのは、その前提条件。

それは、その人に任せて、どのような結果になろうとも、すべて受け入れられるかどうか。

そういう人に幹部を任せられるかどうか。

人がやることなので、うまくいくことばかりではありません。

商談が決裂したり、お客さまからクレームをもらったりと。

そんな時、社長である自分が対応していても同じ結果になったであろうと思えるかどうか、ということです。

当社にも信頼しきっている役員が2人いますが、まさにこのような存在です。

幹部には、仕事の信用だけでなく、人としての信頼を持てないといけません。

これも何をするかより誰とするかです。

仕事は一人では完結しません。

商売は楽ではありませんが、楽しくしたいものです。

それには、何をするかより誰とするか。

お客さまも会社の仲間も、自分の心に正直に選びたいものです。