バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

10月も終わりますね。

今年も残り2ヵ月、コロナに翻弄された一年でした。

しかし、ここのところは感染者数も激減し、治療薬の開発のニュースも耳に入ってきます。

社会の環境は確実に良い方向に向かっていますので、会社の経営も次に備えないといけないですね。

さて、記録に残すことの重要性について。

なぜ経営者の想いが伝わらないのか?

後継社長に限らず経営者と話していると、次のような声をよく聞きます。

「なかなか想いが伝わらない」

「何度も同じことを言っているのに社員は分かってくれない」

一方で、それらの会社の社員からは…

「社長は言っていることがコロコロ変わる」

「朝令暮改が多過ぎて何をしていいのか分からない」

私は、このような事象は仕方のないことだと捉えています。

社長が気分的に乗っている時とそうでない時とでは、その熱量とともに社員への伝わり方が違ってきます。

一方、聴く側の社員も体調の良し悪し、プライベートでの心配事の有無などにより、その時々で捉え方はまちまち。

構想をカタチにする重要性

私は、ビジョンのない社長はいないと思っています。

もちろん、社長それぞれでビジョンの大小はあります。

つまり、社長の頭の中で思い描いていることの文書化ができておらず、社員がいつでもどこでも確認できる状態にはなっていないということです。

明らかに覚悟が足らない後継社長のなかには、「文章にして形にするとやらないといけない」「大きな目標を掲げて達成できなかったら恥ずかしい」と本末転倒なことを言い出す輩もいます。

もちろん、これらは論外。

ただ、引き継いだ会社を成長に導くための壮大なビジョンを思い描いているにもかかわらず、後継社長の想いが十分に社員に伝わっていない場面をたくさん見てきました。

それらのほとんどは、後継社長の頭の中にある構想が文書化されてカタチになっていないことが大きな要因である、と私は考えています。

さらに言うなら、紙に書いていないなら伝わらないのです。

カタチにしたことを何度も伝え続ける

文書化する、紙に書くことの目的は、読み手の解釈の幅を最小化すること。

実際には、紙に書いたからといって、社長の想いや考えが100%伝わることはありません。

ここまでできた時に大事になってくることは、理解のズレを最小限にする努力。

それは、紙に書いた“記録”を教科書として、後継社長が社員の“記憶”に残すために繰り返し伝達していくこと。

記録と記憶との相乗効果で後継社長の想いが徐々に浸透していくはずです。

記録に残すときのポイントは、こちらでも紹介していますので、参考にしてください。

なかなか社員に想いが伝わらないと悩んでいる後継社長の皆さんは、少しずつ自分の想いを言葉にする、紙に書くことから始めてみましょう。