バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

緊急事態宣言が解除されて一週間。

手洗いや消毒などの感染対策は引き続き必要ですが、世の中での動きが若干出てきた実感が持てます。

外出すると昼間からお店で酒を酌み交わして談笑している光景が目に入ってきます。

お店もお客さんもおおっぴらにしています(笑)

当社でも1年半にわたり、完全テレワークを実施してきましたが、今月から社員とのリアルコミュニケーションも徐々に始めていきます。

さて、本日は共通認識について。

共通認識が取れている状態とは?

支援先の後継社長から「幹部との共通認識が取れていない」という話をよく聞きます。

私自身も社員、特に、経営幹部との共通認識づくりには多くの時間を割くようにしています。

ところで、共通認識が取れていることとは、どのような状態なのでしょうか?

私は、共通認識が取れている状態を次の3つを満たすこととしています。

⑴共通目標を意識して行動していること

⑵共通言語を用いて会話をしていること

⑶共通感情を心に宿し結束していること

このような算式で表現することもできます。

共通認識=共通目標×共通言語×共通感情

このなかで最も重要なことは、共通感情を高めていくことです。

共通感情の重要性

先日の自民党の総裁選を見ていて、改めて自民党という組織の強さを感じました。

菅前総裁が、次への意欲を示していたところから一転して不出馬を表明したこと。

4人の候補に誰かつくのか、安倍さんが高市さんを応援し、“小石河”連合を結成したりと、つまらない映画を見ているよりよっぽど面白いと感心していました。

面白いとは興味深いという意味で。

私は、自民党“劇団”説を唱えています。

もちろん、菅さんも続けたかっただろうし、不本意なんだろうけど、それより優先すべき目標があるから、自分の意志をも犠牲にできるのだと。

それは、政権与党である続けること!

これは紛れもなく今回の自民党総裁選における所属国会議員の共通目標であるはずです。

そして、共通言語は自民党の綱領に書かれていることなのか、それとも国民は知り得ない言葉なのか。

それとも今回に限っては、「総選挙の顔に相応しい候補を総裁にする」ということが議員間では発しられていたのか。

いずれにしても共通目標を意識した上での“合言葉”があったのではないだろうか。

さらには、これが一番大きいと推測しているのが、絶対にあの時の屈辱だけは二度と味わいたくない、という共通感情。

あの時とは、民主党に政権を奪われて野に下った時のこと。

あの屈辱なのか、政権奪還した際の歓喜なのか。

喜びは時が経つと薄れるが、屈辱は逆に増大することもあります。

健全か否かは別の議論として、ネガティブな感情を共有する方が結束力が増すのではないかと、私は考えています。

自民党がいろんな意見がぶつかり合っても多数派を占められるのは、共通認識が取れているからこそ。

つまり、共通目標、共通言語、そして、共通感情があるからに違いありません。

この共通感情が党内で醸成されているからこそ、党内で権力争いや政策論争をしているように見せかけて、野党の存在感を消すことに成功していると、私は評価するのです。

これが自民党という組織の強さです。

共通認識のために足りない要素は?

こちらをご覧いただいている後継社長は、自社で共通認識が取れているかを一度評価してください。

共通目標、共通言語、共通感情のどれが足りないのか?

前の2つは形式的には存在する会社は多いですが、それらを活用して最後の共通感情を生み出し醸成できている会社はまだまだ少ないというのが実感です。

今日のこのブログを自社の組織の振り返りのきっかけにしてもらえると嬉しいです。