バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

夏の甲子園大会も大詰め。

優勝候補に伏兵が挑んで勝利を掴む場面に胸がジーンときました。

高校球児のプレーだけでも感動しますが、試合後のコメントを聴くだけで涙が出てきてしまうのは歳のせいでしょうか…

来年の高校野球は満員の観客とともに開催して欲しいと願うばかりです。

さて、今日は「論理と感情」について。

論理的には正しい改革でも

後継社長が改革を進める際に、論理的には筋が通っていても結果が伴わない場面をたくさん見てきました。

かくいう私も、前職の後継者時代に様々な改革を断行してきましたが、苦い経験を多くしてきました。

一般的に、事業承継を迎える会社は、短くとも30年以上の歴史を持っています。

長くその会社にいる社員に対して変化を要求すると、要求の内容よりも変化そのものに拒絶反応を示します。

先代社長から認められていた社員ほど自負があるからです。

しかし、後継社長は、会社のため、お客さまのため、ひいては、社員のために必要なこととして論理的には問題ないと思っているからこそ、改革を押し進めていきます。

責任感の強い後継社長ほど、スピード感を持って実行するので、これまた悪循環に陥っていくのです。

オンラインセミナーでの学び

数ヶ月前、大阪府知事、大阪市長を歴任された橋下徹さんのオンラインセミナーを聴く機会がありました。

政治家引退後もなお影響力が増している橋下さんの話を楽しみにしていました。

しかし、話が始まると、その直前にあった2回目の大阪都構想の住民投票の話題。

前回に引き続き、またもや否決されたことへの恨み節ともとれる内容。

府と市の二重行政がいかに無駄かという解説には説得力がありましたが、一時間これで終わってしまうのかと思うと、途中から退屈になってきたのが正直なところでした。

ただ、それで終わらないのは、さすが話術のプロ。

すべてが前振りかと思うような内容。

最後の最後に橋本さんが語ったのは「論理と感情」。

二重行政に無駄が多いことは論理的には通っていても、それを受け入れる住民には感情がある。

理屈は合っていても、感情的に受け入れられないこともある、ということ。

結果、とても大きな学びを得ることができました。

失敗経験を経て

後継社長の改革も同じ。

相手の感情、この場合、社員の感情に配慮しながら改革を進めることが大事です。

私は、当時から「理動」という言葉は辞書にない。

理屈だけでは人は動かない、人は感じて動く。

「感動」とはそういう意味という持論を持っていました。

しかし、自分のこととなったときに、社員の感情を後回しに改革を進めようとしたことを反省しました。

私は、失敗してこのことを学びました。

後継社長の皆さんには、私と同じ失敗をしないで欲しいものです。

急いで急がず。

相反する内容を両立できたとき、一歩前に進んでいるはずです。