バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。
冬季五輪が始まりました。
2019年ラグビーワールドカップ、昨年の夏季五輪と自国開催がつづいたせいなのか、それとも外交ボイコットの原因となっている開催国の姿勢なのか、私の関心は正直微妙です。
ただ、日本人選手のメダル獲得のニュースについては、無条件に嬉しいものですね。
“外野”のざわつきとアスリートの活躍は、切り離して考えるべきですね。
純粋に感動できる人間になります!
さて、本日は「教育で人は育つのか?」について。
社員教育の限界
後継社長の支援をしていると、このような愚痴をよく聞きます。
「人が育たない」
「お金をかけて教育した社員が辞めてしまった」と。
果たして教育で人は成長するのでしょうか?
教育によって社長の期待に応える社員になるのでしょうか?
私の答えは「NO」です。
私は『採用8割の法則』を提唱しています。
これは、「採用と育成のプロセスの中で、採用に8割の力点を置いてお金と時間と人材を投入すれば、その後人材は勝手に育っていく」という考え方です。
「人なんて採用してみないとわからない」
「採用してからしっかり教育すればいい」
このように考えている社長もいますが、高確率で失敗します。
私の経験上、採ってはいけない人を採ってしまうと、入社後いくら教育しても育ちません。
もちろん、業務上のスキルは教育によってある程度伸ばすことはできます。
ここで言っているのは、社長が掲げるビジョンへの共感度や、社長の考え方に対する理解度に対してのものです。
ビジョンへの共感度や考え方に対する理解度は、入社後の教育では矯正しがたいというより、矯正できません。
低いとどうなるのか?
ビジョンに共感していない人は、的外れな行動をします。
野球の試合で、テニスラケットを持ってバッターボックスに立ってしまいます。
テニスをしたければテニスコートに行くべきなのは明白なのに。
また、社長の考え方に対する理解度が乏しいと、求められていることと異なる行動を取ります。
監督がバントのサインを出しているのに、強振して空振りしてしまいます。
ここで質が悪いのは、本人はサイン通りの行動を取ったと思っている点です。
監督はサイン通りの行動を取らないので、その選手を叱責します。
選手は、なぜ怒られているかも理解できないので、監督に対する不満が募ります。
まさに悪循環です。
野球をたとえにすると分かりやすいのですが、会社でも同様のことが起きています。
このようなことは矯正できないからこそ、採用が大事なのです。
採用がすべてと言っていいかもしれません。
つまり『採用8割の法則』です。
採用を間違わなければ教育は不要
ビジョンへの共感度や社長の考え方に対する理解度が高い求職者は、入社後の教育も有効性が高まります。
むしろ教育など不要です。
このような人は、自ら社長の期待を理解し、自発的に学習します。
結果として、業務上のスキルも習得が早くなるはずです。
会社の実力は採用力に比例します。
採用で“入口”を強化してこそ、やっと教育が生きるのです。