バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

起きるのがつらいと感じる朝が増えてきました。

今年の4月から始めて、今では習慣化していることがあります。

それは中学生になった長男を毎朝送り出すこと。

息子は、駅まで自転車に乗っていきます。

それを私がサイクルポートから出して、乗りやすい場所まで移動しておくという“おもてなし”付きです。

同じ時間に同じことをしていると季節の変化にも敏感になります。

今年の冬は寒くなりそうなので、体調管理も万全にしていきたいものですね。

さて、今日は後継社長のお金の使い方について。

会社のお金の使い方に対する「ブロック」

当社は、後継社長に向けてのコンサルティングや研修事業を生業としています。

形のないものなので、その価値を理解していただくには時間がかかります。

一方で、価値を感じていただいても、すんなりご注文をいただけないケースもあります。

よくあるのは、会長ブロック、もっと端的に言うなら、親ブロック。

後継社長自身が必要性を感じていても、親である会長に反対されて実施できなかったことは、これまで二度や三度で済みません。

そんなお客さまに対して、口には出しませんが「学習塾じゃあるまいし」と内心ボヤいてしまいます。

学習塾とは、勉強するのは子供、お金を出すお客さまは親という意味です。

また、後継社長は、当社のコンサルティングを受けたくても、会社の経費としないケースもあります。

コンサルティングには価値を感じてくれ、どうしても受けたいからとポケットマネーから支払うというものです。

一般的に、親族承継の場合、後継社長は良いところのお坊ちゃん、お嬢さんであることが大半です。

業績の良い会社を継いだ後継社長は、一般家庭よりも裕福な育てられ方をしているはずです。

親の世代から不動産もたくさん所有している方も多いので、おそらく後継社長はお金が貯まる環境にもあるのかと思います。

「おそらく」というのは、私は親族外承継でそのような環境になかったから正直なところが分からないということと、300名以上の後継社長と出会ってきたなかでの見聞きしてきた感触でしかないからです。

いずれにしても後継社長は、数百万円単位のものを個人の資金でまかなえてしまう場合が多い、ということです。

「会社の成長のための経費」を社長個人でまかなうことは…?

資金があるからといって後継社長が、このようなケースで個人のお金を使うことについて、皆さんはどのように考えますか?

私は「NO」です。

後継社長は、自己への投資についても会社のお金を堂々と使うべきです。

というのも、

こちらの2021年4月16日号『組織を成長に導く「ハンカチ理論」の考え方』にも記したように、会社の成長は社長の成長とイコールです。

後継社長の趣味でしかなく仕事に全くつながらないものに経費を使うのは論外です。

業績向上や後継社長自身の成長に少しでもつながるものであれば、誰に文句を言われる筋合いもないはずです。

また、会社の経費を使うからこそ、何かを身につけて帰ろう、誰かとつながって人脈を拡げようと必死になるものです。

個人のお金を使っていては、自分のお金だからいいか、と甘えが出るもの。

公私の切れ目の境目

創業社長は、良くも悪くも四六時中会社のことを考えているので、公私混同どころか境がありません。

それに比べて、後継社長は、公私の切れ目をしっかりつけ行儀良く見えます。

社長は一般社員とは違います。

会社の成長は社長の成長にかかっています。

後継社長の成長が会社の成長そのものと言って過言ではありません。

後継社長には、自分の活動が将来の成長につながるという自信と気概をもって、意味あるお金の使い方をして欲しいものです。