バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。
今週は、プロ野球のハンカチ王子・斎藤佑樹投手、怪物・松坂大輔投手が立て続けに引退というニュースがありました。
二人とも甲子園の優勝投手。
高校生の頃からずっと注目され続けて、調子が良いときはチヤホヤされ、悪いときはマスコミから叩かれ、一般人の私が想像できないほどの葛藤があったと推測します。
昔の私なら、まだ力が残っているうちに引いた方が格好いいと思っていました。
しかし、今回は、全盛期からは程遠いピッチングしかできなくとも、最後まで前を向いて投げ続けた両投手を見て、涙が止まらない自分がいました。
人のものの見方、価値観は変化するものですね。
歳のせいかもしれませんが…笑
さて、本日は伝える 順番について。
伝える”内容”に問題がなくても
会社で「それ、聞いていないっ!」と怒っている人を見かけることはありませんか?
私が後継社長を務めていた前職でも、コンサルティングの支援先でもよく見聞きします。
以前の私は
「当たりめぇだろ。はじめて言うんだから」とか
「おめぇは何様だ!おめぇに言う必要がどこにある!」
と心で叫んだり、時には口走ったりもしていました。
支援先でも
後継社長が会社の方針を全社員に向けてプレゼンする際に、先代社長である会長がその
方針そのものをはじめて聞いてびっくりしたり。
また、別の会社でも
普段は「幹部だから」と幹部に相応しい言動をするように促す後継社長が、会社の重要事項を新入社員と一緒の場で聞かされて、その幹部が憤慨したり。
と、些末なことにも聞こえますが、これが“大事件”に発展することは少なくありません。
これらは、後継社長が伝える 内容に問題があるわけではありません。
いずれも 先に伝わっていれば、何の問題もなかったはずです。
上記の会長も幹部も、きっと自分が軽んじられたと思ったのです。
相手を尊重していることを示すため
後継社長にとっては、同じ内容を話すのであれば、「みんな一緒に!」の方が合理的かつ効率的なのかもしれません。
しかし、人は理屈が通っていることでも感情的に賛同できないことがあります。
過去には上記のような暴言を履いていた私も、このことに気づいてからは改善しました。
当時の会長には、
大きな方針の変更に関しては、反対意見が出そうな内容ほど、事前に確認を取る。
後継社長の私にとって不都合なことほど、先に耳に入れる。
今でも幹部には、
会社の方針に関しては、経営(幹部)会議で事前に意見を聞く。
小さな内容であっても全社員向けに話す事柄は、先に耳に入れておく。
大事なことは、先に話すことです。
後継社長が、相手のことを尊重しているか否かは二の次です。
もちろん、長く付き合っていけば、本心が伝わりますが…
最初は“儀式”でも構いません。
話す順番でしか、相手を尊重する姿勢を示すことはできませんので、先に伝える行為からはじめていきましょう!