バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。
コロナのワクチン接種が、混乱がありながらも進んでいるとの連日の報道。
また、16日水曜日には、富山大学ですべての変異株にも効く治療薬につながる「スーパー中和抗体」を取得したとのニュースもありました。
人類の叡智を結集すれば、一年足らずで未来に希望が持てる状態がつくれるんですね。
暑くなってきたので、早くマスクのない生活に戻りたいと思う今日この頃です。
さて、本日は後継経営者にとって「期待にこたえるために大事なこと」についてお伝えします。
先代は後継経営者に大きな期待を抱く
後継経営者は、多くの利害関係者に期待されて会社を承継します。
後継者は、お客さま、社員、取引先からの期待を一身に受けて社長に就任しますが、最も期待している利害関係者は紛れもなく先代社長ではないでしょうか?
特に創業社長であれば、以前のこのブログにも書きましたが、自分が立ち上げた会社は自身の所有物という意識が強いものです。
他の何ものにも代え難い”もの”といえます。
そんな会社を自分以外の誰かに任せたということは、多くの葛藤を乗り越えたはず。
必然的に後継者への期待は大きくなります。
先代の期待とは企業成長ではないのか?
私も2014年に後継者として事業承継を経験した際には、多くの期待を受けて社長に就任しました。
後継者の使命は、会社をつぶさないこと、そして、継いだ会社を成長させて社員とその家族を幸せにすることです。
それを念頭に私は、あの手この手で矢継ぎ早に改革を実行しました。
手法の違いで先代社長から指摘されることはありましたが、私は意に介しませんでした。
なぜなら、新規事業開発や組織開発によって、5年にわたる就任期間中はすべて増収という結果を残していたから。
しかし、結果として2019年に後継者失格の烙印を押されることになりました。
成長させるだけでは先代の期待には応えられていない
私は、会社が成長していさえれば、先代社長の期待に応えられているものと理解していました。
これが大きな勘違いだったことは、辞めてはじめて気づかされました。
仮に会社を成長させていても、先代社長の“NG”に触れてしまうと後継者として期待に応えているとは言えないということです。
ここで重要なことは、先代社長から後継者への期待や願望を受け止めるよりも“絶対NG”を握ること。
先代社長の「こういう会社にして欲しい」よりも「これだけはしてくれるな」を共有してください。
可能であれば、社長を引き継ぐ前に!
そして、先代社長の“絶対NG”以外は、自分の好きなようにやらして欲しいと確認を取ることもお勧めします。
失敗してから気づくことはたくさんあります。
私は、後継経営者の皆さんに私と同じ過ちをして欲しくないと願っています。
先代社長の“絶対NG”を把握していない後継者は、これを機にコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか?