バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。
今回は、後継経営者の方に向けた経営基礎講座として、後継経営者が「経営者」としてブレないための重要なポイントをお伝えします。
0から1をつくりあげる創業経営者と違い、後継経営者はだれを理想の経営者像として、どのような価値観を持ち、どのように引き継いだ会社を経営していくのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
成功する後継経営者には共通する「後継経営者としてのあり方」があります。
今回は、その「後継経営者としてのあり方」を紹介します。現在、後継経営者としての軸づくりについて悩んでいる方も、すでに悩みを乗り越えた方も、ぜひご自身の状況や経験と照らし合わせてみてください。
「変えるべきもの」と「変えてはならないもの」
私自身も親族外承継という形で事業承継をし、5年ほど後継経営者としての経験があります。
会社を引き継ぐ際に悩んだこと。それは変えるべきものと変えてはならないものがあるということです。
当時の私には、変えるべきものと変えてはならないものが明確でなく、その線引きはどこにあるのか、「答え」がわからず、悩むこともありました。
変えてはならないものは「本質」
まったくといっていいほどタイプの違う先代から会社を引き継ぎ、私自身の色をどう出そうか、もがく日々でした。
そして出した結論が、「変えてはならないものは先代から引き継いだ事業の本質だけ。あとはすべて変えていい」ということでした。
人が違えばやり方が違います。目指すべき本質さえ見失わなければ、やり方は違って当然です。
「あり方」と「やり方」
「先代とうまくいかない」、「よくケンカをする」という後継経営者の話をよく聞いてみると、会社やお客さまに対する想いに違いがあってもめている人はほとんどいないことがわかります。
「想い=あり方」は先代と後継者とで一緒なのに、それが根本まで共有されていないために、違う「やり方」を取り入れようとすると「あり方」まで変わってしまったのではないかと錯覚してしまう。それによってもめごとが生じているのです。
先代のやり方を踏襲するだけなら社長を引き継ぐ意味はない
私は、後継経営者に「先代と違っていい」とお伝えしたい。
先代の0から1を創りあげる偉大さをしっかりと認識し、受け継いだものを大切にすることはもちろん重要です。
しかし、“やり方”まで一緒にする必要はない。目的に向かうルートはひとつではありませんから。
そう気がついたときこう思いました。先代のやり方をそのまま踏襲するだけなら社長を引き継ぐ意味はまったくない、と。
私が私のやり方で経営を行っていくからこそ、私が社長を引き継いだ意味があるのだと、そう気がついたのです。
自分なりの経営者像を描きながら、変えるべきところは変え、自分自身のやり方を見つけるべきだと思いました。
では自分自身のやり方を見つけるために大切なことはなんでしょうか。
それについてはこちらの記事をご覧ください。